平成15年9月25日の東京高裁 で、「居住用建 物の敷地の売買の場合は、その土地 が通常有すべき品質、性能とは、基本的には、建物の敷地として、その存 立を維持すること、すなわち、崩落、 陥没等のおそれがなく、地盤として 安定した支持機能を有することにある」事としている。 宅地の品質性能は①建物の敷 地としての安定した地盤である品 質、性能、②健康被害のおそれが心 配される土壌汚染のない品質、性 能、③地中障害物もなく、無事に目 的の建物が建築できる品質、性能な どで、これらを「宅地の三大性能」と 呼んでいます。現地における「宅地の三 大性能」はどうでしょうか?
(1)地盤の調査 第一に、「地盤の調査」をすると、 次の①~④の場合があります。①敷 地周囲にあるブロック塀などの一番下方の土砂の表面とブロック塀が接 する付近に、黒いシミが横一線につ いている場合。これは少なくとも、シ ミのラインから地盤が沈下している 可能性があります。②敷地周囲にあ る擁壁や階段部分に亀裂がある、傾 いている、波打っている、隙間から草 が生えている場合。 これは宅地擁壁や地盤に崩落や陥 没の異変がある可能性があります。 ③前面道路の舗装面に、通った車の 轍がある場合。この周辺は軟弱地盤 である可能性があります。④近隣の 公園の周囲にある擁壁やブロック塀 が傾いているような場合。公園を含 む周囲一帯は軟弱地盤である可能 性を示しています。
(2)土壌汚染の調査 第二は、「土壌汚染の調査」です。 ①工場の跡地のようなコンクリート 塀が残存している場合。何らかの汚 染有害物質を取り扱っていた工場 の可能性があります。②登記事項証 明書の過去の所有者に工場経営を していたような企業名がある場合も、 要注意です。③油だらけのドラム缶 が放置され転がっている、地盤表面じる建築廃材の小片は少なからず残 置されている可能性があります。
(3)地中障害物の調査 第三は、「地中障害物の調査」に おいて、現地で目視調査をする際、 慌てずに、じっくり観察すれば、わか ることもたくさんあります。①人が住 んでいた形跡のある垣根やブロック 塀などがあり、過去に住宅があった 場合。建物を解体した後のため、たと え、表面はきれいな土でおおわれて いても、少なくとも、建物解体時に生じる建築廃材の小片は少なからず残 置されている可能性があります。②過去に井戸があった宅地 で、ガス抜き用の塩ビパイプが地面 から出ている場合。その 下には、井戸の設備の一部が残置さ れている可能性があります。仮に撤 去していても、上半分しか解体撤去 していない場合が多い。③地面から 鉄骨の一部が飛び出ている場合。地 中に、地下室や工作物が残置されている可能性があります。④旧建物の 浄化槽がある場合。既存建物が一 般住宅で、買主がそこに共同住宅を 建築するとき、埋設されている浄化 槽を使用できず、地中障害物でしかありません。 このように「宅地の三大性能」にお いて瑕疵の有無や瑕疵が存在する 可能性を調査し、消費者に告知する ことが大切です。