三友システムアプレイザル不動産金融研究所は、2018年度下期(18年10月~19年3月)の競売物件の分析調査結果を公表した。東京・横浜・さいたま・千葉の地方裁判所において、開札日が到来した競売物件の開札および落札動向に関する分析を行なったもの。
開札件数は、東京736件(前期比10.7%増)、横浜701件(同9.0%増)、さいたま599件(同11.5%増)、千葉540件(同3.3%増)と、すべての地裁で増加。種類別では、東京は「マンション」が多く、さいたま・千葉は「土地付建物」が多かった。先行数値である配当要求終期公告件数は、近時増加地裁もあるが、「開札件数は、当面減少ないし横ばいが続く」と予想している。
落札件数については、東京97.1%(同0.5ポイント低下)、横浜90.8%(同1.1ポイント低下)、さいたま88.7%(同2.0ポイント低下)、千葉92.1%(同1.4ポイント低下)と、全地裁で低下。種類別では、流動性のあるマンションが高く、特に東京は高水準だった。中心部より遠隔地の落札件数率が低く、地裁全体の低水準の要因となっている。
地裁合計の落札価額は526億円(同20.7%増)。08年度以降のピーク(1,483億円)に対し、3割半ばの水準。マンションの手軽さは不動産の取り扱いやエンドユーザー取り扱いとしてやりやすい。戸建てなどは近隣の影響なども多く受けるためであるだろうか?法的に改善され、競売がピークだったころからすると多くの人が参加できる環境にはなりつつある。 応札者数は、東京6,031人(同3.2%増)、横浜4,369人(同14.5%減)、さいたま3,220人(同0.4%増)、千葉3,938人(同5.1%減)と、増加と減少に分かれた。平均応札者数は、東京(同1.1人減)、横浜(同1.5人減)、さいたま(同0.6人減)、千葉(同0.5人減)の全地裁で減少した。「マンション」が依然として高水準だが、東京でみると低下が著しく異常人気のピークは過ぎ、「競売市場離れが生じている」と考察している。おそらく流動性のある流通価格が高いものは販売しやすく、仕入れとしての価値を見出せるが、地方(都心部から遠方)の案件の底上げ、流通促進させないと、不動産が滞ると思われます。再生事業なの再構築できるビルダーの存在が大きくなると思います。